奧座敷同人 1997年の 5 盤





さてはて、本年より「奥座敷同人5盤」という企画を始めてみました。
新譜・旧譜に拘わらず、各人が昨年聴いた中でベストと思える音盤を僅か 5 盤にセレクトいただき、とりまとめたものにございます。この場をお借りしまして、企画にご快諾・賛同いただいた同人の皆様には厚く御礼申し上げるとともに、蘊蓄深き各御仁のセレクション及びコメントひとくさりをご快読いただければ幸甚にございます。
なお、執筆者名をクリックすると記事に飛びます。

店主鞠躬




































斉諧生


1. ヴァッサ・プシホダ(Vn) 第6集(ドヴォルザーク : ヴァイオリンのためのソナチネほか)
  (Podium POL-1006-2)

 これまで、このボヘミア出身のヴァイオリニスト(1900〜1960)の録音は聴いたことがなかったが、ドヴォルザークのソナチネが期待どおりの名演だった。曲を弾きこんだ確信に満ちた節回しと切れのよいボウイングで、この曲の懐かしい味わいが見事に再現される。ボヘミアへの望郷の想いが聴き手の胸まで熱くするのだ。併録のスラヴ舞曲ホ短調も同様の超名演、またバッハのシャコンヌも気迫に満ちた圧倒的な演奏で、大いに推薦したい。録音は1949年だが、バイエルン放送局の音源で、モノラル期の水準に達した音質といえる。

2. ミクロシュ・ペレーニ(Vc)アンドラーシュ・シフ(pf) シューベルト : アルペジオーネ・ソナタ
  (TELDEC 0630-13151-2)

 ペレーニ独特の塩辛い中低音、高音は音程のよい美音が快い。テンポ・節回しに間然とするところがなく、シフのピアノも出過ぎず引っ込み過ぎずの呼吸が見事。第1楽章の展開部の終り、シフの左手がデモーニッシュに響くのも凄いが、そのあとペレーニが引き伸ばす哀切な弱音は鳥肌もの。2楽章終結へ向けてどんどんテンポが遅くなっていくのも肯ける。トルトゥリエ(新)、アルト・ノラス、ヨーヨー・マなど特徴ある盤を抑えて、この曲のベスト・ワンに推す。

3. 寺神戸亮(Vn)ジーベ・ヘンストラ(Cem) バッハ : ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ全集
  (DENON COCO80465〜66)

 昨年5月に実演に接して感動して以来、鶴首していた録音である。ヴァイオリン・チェンバロとも、音だけでも十分に美しく、端正な音楽の中からバッハの慈愛が浮かび上がってくる。第5番の第3楽章ではヴァイオリンが重音を延々と引き続け、チェンバロがさざ波のような細かい音型で彩る。このヴァイオリンの和音の美しいこと!
 多くのヴァイオリニストが早めのテンポで切り抜けるが、寺神戸は、一つ一つの和音を慈しみながら、情感豊かに歌う。

4. パーヴォ・ベルグルンド(指)ヨーロッパ室内管 シベリウス : 交響曲第5・7番
  (FINLANDIA 0630-17278-2)

 第5番で、ベルグルンドとヨーロッパ室内管は比較的小編成をとり(第1ヴァイオリンから12−10−8−6−4)、各声部が極めてクリアに響く。幻想味やフィンランドの風土感がやや後退して、純粋にシベリウスの音楽世界が立ち現れる。この曲を聴く上で欠かすことができない、極めて重要な録音だといえる。第7番では更に編成が小さくなるが(9−9−6−5−4)、弦合奏の透明感や、この曲で重要なトロンボーンのソロがくっきりすること等、一層の成功をもたらしている。とりわけ、終結近く、ラルガメンテの弦合奏だけになるあたりの浄福感は素晴らしい。そして、この曲の特徴である、解決のない永劫回帰というか、無限の世界へ溶けこんでいくようなムードを十分に感得することができる。

5. アンドレ・プレヴィン(指)ウィーン・フィル R・シュトラウス : 木管のための協奏曲集
  (DGG 453 483-2)

 ウィーン・フィルの首席連中をソロに据えたディスク。いずれも美演揃いだが、とりわけラルス・ミヒャエル・シュトランスキー独奏のホルン協奏曲第1番が素晴らしい。この曲は最近ノイネッカー盤、ブレイン旧盤と聴いているが、最も気に入った。これはウィンナ・ホルンの魅力によるところ大。独特の野太い音で、力強く朗々と吹き上げる。バックも ノリ」のいい積極的な音楽で、聴いていて実に愉しく、若き日のシュトラウスの軒昂たる意気を満喫できる。オーボエ協奏曲、クラリネットとファゴットのための二重協奏曲も、ウィーンの木管の肉厚の音と弦楽合奏による美演だが、これら最晩年の作では侘び寂びの境地も求めたいところ。





野々村


1. 島田雅彦/大友良英 : ミイラになるまで
   (creativeman disc CMDD-00034)

 今年も200枚以上(推定)のCDを聴いたが、1位はこれしかない。島田雅彦の短編小説の朗読に大友良英の指揮するアンサンブルの音楽が寄り添う。内橋和久・高良久美子ら即興音楽界の顔役たちに石川高らクロスオーバーな邦楽器奏者や原田節のオンドマルトノも加わって、朗読は佐野史郎という超強力メンバー。新宿ピットインのライブでは失神者も出たというこの音楽を、次回の奥座敷では是非。

2. MERZBOW : Akasha Gulva
  (alien8 recordings ALIEN CD1)

 世界中で「Noise Guru」として絶大な尊敬を受ける、秋田昌美率いるノイズユニット、メルツバウ。1998年には未発表音源52枚組ボックスという驚異の企画もあるこのユニットは、質と量を兼ね備えた奇跡的なリリースを続けているが、1996年6月29日の多摩大学ライブをそのまま1トラック74分に収めたこの1枚は、この長丁場に些かの緩みもなく、彼らの莫大な録音の中でも傑出した出来である。

3. James Tenney : Bridge & Flocking
  (hat hut hat ART CD 6193)

 ケージ、フェルドマン亡き後のアメリカ作曲界の良心を一手に支えているのが、生来のアウトサイダー、テニーである。まだCD化された作品は僅かだが、そのオリジナリティの高さは類を見ない。この録音には、4分音調律された2台ピアノのための2作品が収められている。アイヴズ以来、この編成の作品は多いが、ようやく歴史に残る作品が現れた。各ピアノは連弾という響きの厚さも一因だろう。

4. 金石出 : 翔(Final Say)
  (Samsung Music SCO-121CSS)

 韓国シャーマンミュージックのゴッドファーザー金石出も、リリースごとに新たな驚きを与えてくれる。1922年生まれの彼は、近年は体力を要する打楽器演奏は子供たちに任せて、ホジョクという小金管楽器一本に絞っている。しかし、彼の圧倒的なテンションは相変わらずで、この録音でも梅津和時、W.Puschnigらのサックス3本を圧倒している。打楽器との合奏や多重録音による一人二重奏も楽しめる。

5. AMM : AMMUSIC 1966
  (Matchless Recordings ReR AMMCD)

 Cornelius Cardewらによって結成されたこのイギリスの即興グループの、30年以上続いている活動における最初のレコーディングである。彼らは最初から「あの音」だったのだなあ、としみじみと感じられる。ケージを思わせるラジオ放送の使い方と、カーデューのプリペアド・ピアノの響きが快い。ただ、結局のところ、この初録音が一番面白いようにも思われ、「自由な即興」というのも辛いものだ。

次点. Iva Bittova: Divna slecinka
  (BMG Ariola CR/SR 74321 42891 2)

 ジョン・ローズを遥かにしのぐ技巧と美音のヴァイオリンのみならず、ローレン・ニュートンに匹敵する澄んだ声も持つイヴァ・ビトヴァの即興のベースは母国チェコの民族音楽だが、他分野のミュージシャンとの共演経験を活かして、音楽の幅を着実に広げている。この録音はこれまでのアルバムとは違って、打楽器も打ち込みも伴わない純粋なソロで、弾き語りの妙技を楽しむには最高の1枚である。





浮月斎


 ケーゲルに本格的に開眼した年。バロック関係はいまひとつの観あり。

1.サイモン・ラトル(指)バーミンガム市響ほか シマノフスキ : スターバト・マーテル、交響曲第3番「夜の歌」
  (EMI 5 55121 2)

 今年のイチオシはシマノフスキ。彼の東洋への憧憬は、ハーフィズやルーミーという選択をとつても、同時代のそれに比べ杳かに高い次元にある。中でもこのラトル盤を挙げる。濃厚な東洋観を妖艶な色合いに染めず、複雑・繊細な音の紋様を緻密に織り込んでいくかの如くである。特にそれらは「スターバト・マーテル」で存分に表現され、作品理解の度合いの深さも見事。

2. イーゴリ・マルケヴイチ(指)フィルハーモニア管 プロコフィエフ、チャイコフスキー、ストラヴィンスキー
  (TESTAMENT SBT 1107)

 この時代のマルケヴイチの再認識を果たしたシリーズの1枚。音の張り、跳躍する生、鮮烈な音色効果、無駄のない表現など、音楽の持つ生命感を分解ぎりぎりまで引き出した快演ばかり。特にプロコフイエフの「古典」は名演。瑞々しい響きとタイトな音作りが素晴らしい。これは斉諧生師に多謝。

3. ヘルベルト・ケーゲル(指)ライプチヒ放送響、P・シュライアー(tn) ブリテン : イルミナシオン、セレナーデ
  (BERLIN CLASSICS 0090352BC)

 ケーゲルには大変に蒙を啓かれたが、中でもブリテンはこれと「War Requiem」ともに驚嘆しながら聴いた1枚。「イルミナシオン」の直截的なランボオの詩的世界観、やや嚴格ではあるが「セレナーデ」も深い味わい。ブリテンをこれほど冷徹に表現し切ることはお国の演奏家には無理だろうが、これが彼の音楽の一面であることも確か。「War Requiem」も素晴らしいできばえ。

4. Michel Portal : Turbulence
  (Harmonia Mundi 905186)

 ポータルはLe Musicianとのモーツァルトを1枚だけ聴いていたが、それほど印象に残っていなかった。しかし彼のジャズ・アルバムを数枚聴き全く目から鱗、耳からタコだった(^^;。ワン・リード楽器の表現能力の奥深さを改めて認識した次第。彼の演奏から繰り広げられるイメージ喚起は広大多彩で、アフリカ風味の陰翳も素敵だ。そういう意味ではジャズという狭義の枠ではないのかも。聴いた中で「Dejarme Solo」とこの「Turbulence」との印象が伯仲。

5. ゲオルク・セル(指)ウィーン・フィルほか R・シュトラウス : ばらの騎士(全曲)
  (ARLECHINO ARL A46-48)

 セルも一応入れときましょう。オルフェオからリリースされた「魔笛」(59年ザルツブルク音楽祭)も音楽の魅力、指揮の見事さに舌を巻いた。セルはやはり本来劇場の人だった訳で、その凄さを再認識。これはその「魔笛」より遡ること10年前の49年のザルツブルクでの「ばらの騎士」。この曲は私は全く無価値な作品と思っているが、セル盤は実に見事で瑞々しく、これだけの快演を聴くとちと降参。

6. かなり印象の濃い次点

  1. Mozart : Litanies, Vespers etc. / Kegel (PHILIPS)
  2. Brahms : Ein Deutsches Requiem / Herreweghe (Harmonia Mundi)





鈴木


1. ヨハンナ・マルツィ (vn) J.S.バッハ : 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ(全曲)
  (EMI/LEXC-2005-2007)

 あまり小生には似つかわしくないかも知れないが、今このCDにはまっている。なんだか切なく悲しくなるような演奏。実は、今まであまり好きではなかった曲集なのだが、ここまでひきずって聞かせてくれる演奏に出会って喜んでいる。昨今流行のピリオド楽器で の演奏とは、180度異なる非常にロマンティックな演奏。

2. カール・シューリヒト(指)コンセルトヘボウ管、トルボルグ(ms)、オーマン(tr) マーラー : 交響曲「大地の歌」
  (Archiphon/ARCH-3.1)

 発売されたのはずいぶん前だが、今年初めて聞いて大きなショックを受けた1枚。小生このCDのことは忘れられないだろう。最近のムード音楽のような軟弱なマーラー演奏とは、一線を画す驚嘆すべき演奏。シューリヒトを完全に見直してしまった。

3. クラウス・テンシュテット(指)北ドイツ放送響、マティス (ms)ほか マーラー : 交響曲第2番「復活」
  (FIRST CLASSICS/FC-123-4)

 良くも悪くも、今年はHALLOO、FIRST CLASSICS、DRUM CAN、GREEN HILLなどプライベート盤が大いに当たった年だ。この「復活」を聞いて驚愕しない人は希だろう。なんという表現の深さか。テンシュテットはEMIの正規盤でも、ライヴが圧倒的な凄みを持っているが、ライヴを聞かなければ、本当のところはよくわからない指揮者であることを、大きくアピールすることになった。数あるプライベート盤の中でも、必聴の録音。

4. フィリップ・ヘレヴェッヘ(指)エリゼー宮室内管 モーツァルト : セレナーデ第10番・第12番
  (HARMONIA MUNDI FRANCE/HMC 901570)

 ヘレヴェッヘの演奏は、同じモーツァルトでもレクイエムにはあまり感心しなかったし、シューマンでも同様だった。しかし、この「グラン・パルティータ」の驚くべきよくブレンドされた柔らかな響きと、心地よいテンポ設定には、何度聞いても陶然とさせられる。

5. カール・シューリヒト(指)バイエルン放送響 ブルックナー : 交響曲第9番
  (DISQUES REFRAIN/DR 930055)

 5題の中で、マーラー2曲と、シューリヒト2種というのは小生の最近の趣味がよく現れているが(^ ^;;、HPの内容の関係上、今年は本当にブルックナーを腐るほど聞いた。ブルックナーの交響曲での、今年の一番の収穫は、無論クナッパーツブッシュのGREEN HILLとTAHRAからの第9番の復刻だが、クナは小生にとって神様みたいな人なので、ここでは取り上げない。でないとクナばっかりになっちゃうよ(^ ^;;;;。
 このシューリヒト晩年のライヴ(63)はまだHPでも取り上げていないのだが、ウィーン・フィルとの正規盤とは打って変わって、非常にロマンティックな、揺れ動くテンポが独特の演奏。この交響曲が、あちこちできしみ、軋轢を起こし、救いを求めている。朝比奈隆やヨッフムの安定した演奏とは対極にあるような演奏。音響上の凄まじさではなく、このような演奏を可能にした精神の凄まじさと言うべきか。

次点

 次点はありすぎるほどだが、一応3点。

1. ミュンシュのドビュッシー (FNAC/WM321)
2. クーベリックのベートーヴェン交響曲第4番 (METEOR/MCD-064)
3. 非クラシックだが、レデリウス&モビウスの「JAPAN 1996 LIVE」(CAPTAIN TRIP/CTCD-055)





佐々木


1. ルドルフ・ゼルキン (pf) ベートーヴェン : ピアノソナタ集(第1、6、12、13、16、21、30〜32番)
(SONY CLASSICAL SRCR9628-30)

大胆なデュナーミク、アゴーギクを駆使してベートーヴェンに激しく切り込むアクの強い演奏だが、非常に風格があり、今までゼルキンを聴いてこなかったのが悔やまれる。フォルテの表現力の高さ、各声部の描き方の力強さなど、本当に「きれいごとでない」音楽。ベートーヴェン演奏にあたり、あくまで自分の信念を貫こうとする姿勢に打たれる。

2. メナヘム・プレスラー (pf)&エマーソン弦楽四重奏団 ドヴォルザーク : ピアノ五重奏曲、ピアノ四重奏曲
  (DGG POCG-1763 / 439 868-2)

 緻密さと熱情が見事に溶け合ったドヴォルザーク。表現が鋭く、熱狂的・扇情的でありながら、一方では引き締まったヴィブラートがロマンティックな詩情を十全に表現しており、非常に感情の振幅の大きい独特の世界を作り上げている。これを聴くとスメタナの定評ある録音も微温的で物足りなく聴こえてしまう。

3. エトヴィン・フィッシャー (pf) ロンドン響ほか モーツァルト : ピアノ協奏曲第20番 K.466、第24番 K.491
  (Dante HPC034)

 これも定評ある演奏だが今年初めて聴いた。極めて大胆で生々しく、オーラを感じるほど。精神の飛翔とはこんなものかとも思う。好みは別れるかもしれないがこんなモーツァルトは現代の演奏家からは決して聴けないし一度は聴いておいて損はない。とてもロマンティックで激しい演奏ながらどこか主知的な趣を感じさせるのがフィッシャーの魅力。

4. クララ・ハスキル (pf) シューベルト : ピアノソナタ第21番、モーツァルト: ピアノソナタ第10番ほか
  (PHILIPS PHCP-1308)

 アファナシエフやリヒテルらの、悠久の彼方で鳴っているかのようなシューベルトとは対極にある演奏だが、こういった音楽の方が本来のシューベルトに近いのかなとも思う。「思わせぶりな」演奏ではないが、ハスキルはこの演奏の中から実に色々なものを聴かせてくれる。彼女の演奏にはいつもどこか張り詰めた影が感じられるが、その陰影はこのディスクにおいてもたいへん味わい深い。

5. エッシュバツハー (pf)、フルトヴェングラー(指)ベルリン・フィル ブラームス : ピアノ協奏曲第2番
  (Dante/LYS 049)

 ウィルヘルム・フルトヴェングラーの同曲といえば、フィッシャーとの録音が有名だが、こちらの演奏も素晴らしい。かなり恣意的ではあるが奔放で豪快なピアノであり、オケともども感情の振幅の激しさと彫りの深さで最後まで一気に聴かせる。今年聴いたこの曲のディスクの中ではゼルキン/セル盤とともに最も気に入ったもの。





山下


1. セルジュ・チェリビダッケ(指)ミュンヘン・フィル チャイコフスキー : 交響曲第6番「悲愴」

 聴いていて嬉しくなってくる演奏でした。BOXを購入して、いろいろと聴いていたので彼のテンポと雰囲気に洗脳(^_^;;されたのかもしれません。さらっとしていて、劇的はったり効果はないのですが、良い演奏だと思いました。

2. アルノンクール(指)コンセルトヘボウ管、クレーメル (vn)、ハーゲン (vc) ブラームス : 二重協奏曲イ短調

 今年、ブラームスの新譜をいろいろと買いました。この曲は、ヴァントのブラームス等に比べると、あまり印象は強くなかったのですが、聴いているうちに気になるようになった1枚です。

3.カール・シューリヒト(指)ウィーン・フィル ブラームス : 交響曲第2番

 ブラームスの第2番は、いろんな演奏を聴いてよく知っているつもりだったのですが(^_^;;、このCDを未聴だったのは不覚でした。インプリントされている演奏より、幾分早めの演奏でしたが、1度聴いただけで魅了されてしまいました。

4. ハンス・クナッパーツブッシュ(指)ミュンヘン・フィル ブルックナー : 交響曲第8番

 いろいろ迷ったのですが、今年再発売でしたので、このCDを5盤のひとつとしました。クナッパーツブッシュに本格的にはまったのは、syuzoさんのページにお邪魔するようになってからですので、今年の収穫でした。

5. ベーム(指)ウィーン・フィル ブルックナー : 交響曲第4番

 このCDも、何気なく聴き直してみたところいいなと思った1枚です。クレンペラーの第4番と迷ったのですが、透明感があり、奇をてらわず自然な流れのベームをおしたいと思います。





工藤


 今年一番の収穫は、何と言ってもピアソラを知ったこと。なお、順不同です。

1. ラトル(指)ロサンゼルス・フィル ラフマニノフ : 交響曲第2番
  (EMI TOCE-4015)

 高校生の時に聴いて以来耳にしていなかった演奏だが、突然EMIのレッドラインシリーズで復活。全体に良く考えられているが、決して説教臭い演奏ではなく、爽やかなおセンチさが心地よい。4楽章における楽器のバランスに、若きラトルの才能が見える。3楽章の歌も満足できる。

2. デ・レーウ(指)オランダ室内合唱団 ヤナーチェク : 合唱曲集
  (Philips 442 534-2)

 今年前半に最もハマったディスク。国内盤は確か今年の発売でしたね。元来歌とピアノは苦手だったのだが、合唱に対する偏見が一度になくなった。特に男声合唱曲が僕の好み。この後、Hypelionからも似たような選曲のディスクが出たが、「七万」が入っていること以外はこのレーウ盤の方が上だろう。ちなみに、12月に入ってから神保町の中古LPセールでSupraphon盤の男声合唱曲集と女性合唱曲集を見つけて購入してきたが、これはCDになっているのでしょうかねぇ?このLPで初めて聴いた「マリチカ・マグドーノヴァ」は、本当に素晴らしい曲でした。

3. グロマツキー(B)、コンドラシン(指)モスクワ・フィルほか ショスタコーヴィチ : ステファン・ラージンの処刑 作品119
  (SMK-7507)

 これも上記神保町の中古LPセールで入手したもの。LPは反則技かとは思いましたが、今年手に入れたショスタコーヴィチ関係の中では突出して感銘を受けたものなので、敢えてベスト5の中に入れてみました。この曲の録音は少なく、このコンドラシン盤がベストだとマニアの間では囁やかれていたのですが、なかなか市場には出回っていないようで残念に思っていたところ、偶然見つけてしまいました(^^;。ケーゲル盤(Philips)の背筋の凍る緊迫感、ロジェストヴェンスキー盤(intaglio)のたたみかけるような熱狂、そのいずれもを持ちながら、さらにスケールの大きい演奏が実現されています。

4. メロスQ、コセ (vla)、ポータル (cl) ブラームス : 弦楽五重奏曲第2番ト長調 作品111ほか
  (harmonia mundi France HMC 901349)

 この曲は、室内楽に限らず西洋音楽の中で最も好きな曲の一つ。それだけに、熱さ、美しさ、悲しさ、寂しさ、喜び…色々な感情が表出されている演奏を求めてしまう。今年発売されたハーゲンQ盤があまりに期待外れだったので、共演者のコセが共通しているメロスQ盤を入手。これは“熱さ”が突出した演奏。この曲に思い入れを持って演奏したことがある人ならば誰でも、ワクワクし、涙し、ニヤリとすること間違いなし。

5. ピアソラ : EN EL REGINA
  (BMG 74321 21373-2)

 はじめにも書いたように、今年はピアソラに出会ったことが一番の収穫だった。名盤と言われるディスクは大分集めたが、そのどれもが素晴らしく、たった1枚だけ選び出すことは困難である。この「レジーナ劇場ライブ」はもっとも最近入手したもの。「Retrato de Alfredo Gobbi」が特に凄まじかった。ボーナストラックの「悲しみのミロンガ」でのピアソラのプレイも涙なくしては聴けない。

【次点】

  1. ヴィヴァルディ : ヴァイオリン協奏曲集「四季」 バルシャイ/モスクワ室内管
  2. モーツァルト : ピアノ協奏曲第20、23、24、27番 カーゾン(pf)ケルテス、ブリテン

楽しんだということにおいては、バルシャイの「四季」も忘れられない。また、11月に入ってから急にモーツァルトのピアノ協奏曲を聴くようになったのも、このMLにはいったおかげ。このカーゾン盤は、全てにバランスがとれており、満足。

【番外】

 今年一年を振り返って、最も強烈な音楽体験といえば何と言っても、ムラヴィンスキー/レニングラードPOによるショスタコの第8交響曲の通しリハーサルのヴィデオに尽きるでしょう。これは日本ムラヴィンスキー協会から入手したものなのですが、本当に凄い。ブラームスの第4交響曲の本番&リハーサルも入っていますが、これまた凄い。本当は紹介すらしたくなかった位です(^^)。




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