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Le Cahier du Bal
( leo records : CD LR 319 )
- Prelude
- Canarie
- Tango de Anzu [ Dedicated to Anzu Furukawa ]
- Orangerie [ Dedicated to Yoko Tawada ]
- Rigaudon
- Gigue
- Russian Dream
- Menuet Mozambique
- Inside Tales 1.
- Inside Tales 2.
- Inside Tales 3.
- Tarantella 2001
- Le Cahier du Bal
- Dance Parallax
- Pulcinella
Aki Takase (pf)
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Disk Union 吉祥寺 にて。
高瀬アキさんの新譜。「舞踏会の手帳」なる洒落た題名。曲目を縦覧いただければおわかりのとおり、種々の舞曲形式を題材に集約した形の 1 盤である。が、そこはアキさん、並の感覚には収まらない。様々な舞曲形式を藉りて、高瀬アキの音楽感覚の諸要素が、一層研ぎ澄まされた形で集約されているというべきだろう。しかも、今までのようなリリカルな持ち味が影を潜め、より淡泊で思弁的な方向に向かったと感じた。
カナリー、プルチネッラをはじめ、リズムは生命ある跳躍をみせる。特に両声部ラインの交差、時に拍打ちを微妙に変えながらの左右の応答は、息を呑むほど絶妙だ。これ迄、パワーとリリシズムの素晴らしい昇華が陶酔美を産むところに、私なりのアキさんの面白さを感じていた。しかし、これまでと違うのは、音から余分な感傷を削ぎ落とし、音が素っ気ないほど強靱に磨きあげられた点である。ピアノが持つ原始的な要素音だけといってよい。ここに私は、音を大胆に詰めていったクラシカルの巨匠(maestro)の思弁的手法すら感じる。しかし、剛直に空気を切り裂いていく強靱さだけではなく、たっぷり愉悦をも持っている。そこから紡ぎ出される即興は、非常に大胆な起伏を持ちながら、どこか茶目気も漂う。それもやっぱりアキさんなのだ。
面白いのは、強靱な打鍵だけではない。プリペアド曲を主に、タッチの面白さ、音表現の変幻自在で豊穣な世界が併置されていることも忘れてはいけない。その意味では「Inside Tales」3 部作こそ、このアルバムの核ではなかろうかと考えられる。聴けばわかるが、アキさんのプリペアド奏法は、地球一と私は確信している。
強靱に目眩く打鍵の万華鏡のみならず、豊かな音表現の万華鏡もあり。アキさんの音楽万華鏡の中で、その両端がぐいっと拡張され、同梱されたのがこのアルバム...そんな感じだ。高瀬アキファンにはまことに嬉しい新譜である。
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