Bi ha Rancho ni ari / 2000. 03


早崎隆志 : コルンゴルドとその時代
早崎隆志 『コルンゴルドとその時代
"現代"に翻弄された天才作曲家』
[ みすず書房 : 261頁+31頁、発行 1998年3月20日 ]

はじめに
プロローグ 一九一〇年一〇月四日
I ウィーンの天才児
II オペラの栄光と挫折
III ハリウッドの日々
IV 純音楽へ戻る
エピローグ コルンゴルト・ルネサンス
おわりに
コルンゴルド作品 CD ガイド / 参考文献
作品目録 / 索引

Victor klemperer : Das Tagebuch 1933 - 1945
ヴィクトル・クレムペラー 『私は証言する ナチ時代の日記』
[ 大月書店 : 353頁、初版第1刷 1999年5月8日 ]
[ 訳者 : 小川−フンケ里美・宮崎登 ]


解説 石田 勇治
謝辞


偶々、指揮者オットーの兄、ヴィクトル・クレムペラーの『第三帝国の言語(LTI)』が「書物復権」にリストアップ。某所に報告投稿したところ、大月書店から別本の邦訳が出ている旨ご教授いただく。早速注文して読み始める。『 LTI 』に描かれていた、或る種、語学研究的擬態のくどさ(勿論、其れは仕方のないことだ)がなく、直截に玄き現前に対するコメントが描かれる。先のゲイの回想で描かれた色合いに比べ、今、将に「死」に近しき現実として描かれた色彩との余りに歴然たる差に、矢張り慄然とせざるを得ぬ。

一方、コルンゴルド本。
著者早崎氏には web site があり、向後は、website とのメディア・ミックス時代と益々感ず。歴史に精しいと自負している方だけあり、非常に丁寧に纏まっている。コルンゴルトもまた Exile であるが、その辺りの記述は、最近の読書傾向の所為か、少々筆圧が物足りない気はした。
しかし、漸く録音的に復権し始めたとはいえ、やはり書籍に音盤ガイドは半端を否めず。これこそメディア・ミックスの強み、完全に web 紐帯化してもよいのではなかろうか。また、其の実態は知らぬが、此処では web に棲息する fanatic な物欲主義(こんぷりいと・これくしよん)志向は薄く、何故か安堵。

大林師匠から、コルンゴルトのヴァイオリン協奏曲を日本初演したヴァイオリニストの時津氏がアップしておられた www.korngold.co.jp についてご教授いただいた。早崎氏も特別寄稿していた。が、早崎氏の著書が出た頃、ウェブを畳んでしまった。残念。下司の勘ぐりはせぬ。







Bi ha Rancho ni ari / 2000. 02


Goodenough : An Introduction to Philo Judaeus
アーヴィン・グディナフ 『アレクサンドリアのフィロン入門』
[ 教文館 : 296頁、初版 1994年6月20日 ]
[ 訳者 : 野町啓・兼利琢也・田子多津子]

第一章 フィロン研究の方法
第二章 フィロンの著作
第三章 政治思想家
第四章 ユダヤ人
第五章 哲学者−形而上学
第六章 哲学者−人間と倫理
第七章 神秘主義
文献に関する付記
原注/訳注/あとがき
索引

Luciano Canfora : La Biblioteca Scomparsa
ルチアーノ・カンフォラ 『アレクサンドリア図書館の謎』
[ 工作舎 : 282頁、初版 1999年6月20日 ]
[ 訳者 : 竹山博英 ]


第1部 伝説
第2部 原典
訳者あとがき
第1部原注
関連年表
主要人物事典


古代叡智の物質的結集と云われた「アレクサンドリア図書館」。カッスラーの『古代ロ−マ船の航跡をたどれ』でも夙に有名だが、その全貌は、謎、謎、謎の儘である。専門文献は幾つかあるし、美国電網での個人論文も読んだが、日本語で読める纏まった文献は意外に少ない。中公新書のエル=アバディ『アレクサンドリア図書館』は、慥かに時代背景説明の肝要さはわかるが、図書館について何も語っていないに等しい。カンフォラは全く違う。特に第2部の文献考証に入り、俄然、面白くなる。古典文献学に下支えられた推論の展開と想像力の冥利に尽き、見事な手腕である。考古学者ではこうはなるまい。

フィロンの方は、野町さんの名を見て買う。改めて、読みやすいイントロダクションだが、私的には『初期クリスト教とギリシャ哲学』の論攷集の続編をこそ、学生時代からずっと待っているのだが...。







Bi ha Rancho ni ari / 2000. 01

Peter Gay : My German Question
Peter Gay : My German Question - Growing Up in Nazi Berlin -
[ Yale University Press New Haven & London, 1998 ]

Preface
ONE Return of the Native
TWO In Training
THREE The Opium of the Masses
FOUR Mixed Signals
FIVE Hormones Awakening
SIX Survival Strategies
SEVEN Best-Laid Plans
EIGHT Buying Asylum
NINE A Long Silence
TEN On Good Behavier
Acknowledgments


昨年末に届いた、ピーター・ゲイ(Peter Gay)の『 My German Question 』を僅かずつ読み進める。
ゲイの1933−39年の記憶。ゲイの青春時代は、ナチ・ベルリン時代。Nazi-Exile について、民族の大移動的な角度から多々読んできたつもりだ。しかし、個々の Nazi-Exile が訥々と飾らず語れた体験と思索は、矢張り、統括的把握とは可成り見方は違うものである。彼の文化背景の源泉を見る。ゲイの場合、主要著作の邦訳本は割合出ている方だが、この本は上梓されにくいだろうと思う。





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